S11(S10) シルビアとマイナー旧車

UP100 トヨタミニエース

ミニエースの写真

友人I所有のUP100ミニエースです。多分、現在日本で一番綺麗なミニエースだと思います。

ミニエースとは

1967年11月から1975年11月まで生産されたトラックです。(トラック以外にもワンボックスタイプのバン、ワゴンがあります。)
この友人の車は1975年式なので、最終型(と言うのかは知りません)です。

エンジンはヨタハチやパブリカと同じ水平対向2気筒空冷800ccエンジンです。他にもヨタハチやパブリカと共通部品が多いので、それらの部品取りとして使われ、現存数が非常に少なくなった悲運の車だと言えるでしょう。
ですがこの車のオーナーである友人は、パブリカやヨタハチを見ると「部品取りに欲しいなぁ」と言っています。

前輪のサスペンションは、横向きリーフにダブルウィッシュボーン(もどき?)と、訳の分からない構成になってます。
後輪は普通にリーフです。

運転席の下(少し後ろ)にエンジンがあり、その上空冷の為オーバーヒートしやすいようです。

はじまり

この友人は腕のいい大工で、仕事で軽トラックを使っています。
この軽トラックがかなり古く、もう寿命だと言う事で買い換える事にしました。そこでいろんなところで情報を収集していると、ヤフオクにこの車が出品されていました。それを見た彼はすぐその形に惚れ込みました。仕事にも使えるし、低床なのでバイクも乗せられるし(彼はバイクも旧車のRZ250に乗っています)。写真で見た限りでは程度も割と良いようです。そこで落札する事にしました。

ところが実際に届いた車を見てみると、穴が開く程ではありませんがボディーの至る所にサビがあります。キャビンの中も、床のマットをめくってみると、その下はサビだらけ。シートもボロボロだし、エンジンの調子も今イチでした。

そしてその車に乗って周りを一周した後の第一声が、「廃車にしようか。」でした。

考え直して修理する事に

しかし彼は思い直しました。”これを凄く綺麗にして乗ってやる”、と。

ボディーは荷台も含めて全塗装する事にしました。当然整備士の友人Nが知る限り一番腕の良い塗装屋さんに頼みました。
内装も、専門の内装業者にシート、天井、ドアの内張を作ってもらう事にしました。

私だったら金額の面で挫折していますが、彼は”やると決めたらお金がかかっても満足行くまでやる”という性格です。
そして”自分には整備や板金塗装の知識や腕もないし、自分でするより綺麗になるならお金がかかってもプロに任せる”という考えを持っています。

その考えは非常に良いと思います。旧車のオーナーといえば何でも自分で修理するというイメージがあります。ただそういうやり方は自分では満足行くかも知れませんが、せっかくの大事な車が台無しになってしまう場合もあります。
彼は自己満足より大事な車の方を選びました。こういう彼のやり方も旧車オーナーのあり方の一つだと思います。

全塗装完了

全塗装、内装張り替えが終わって、見違える程綺麗になってミニエースが帰ってきました。

あとは全塗装の際に全て取り去ってしまったウェザーストリップゴムを貼り付けないといけませんが、以前の物は劣化していて使用できません。もちろんトヨタからは新品が出て来ません。

そこで汎用のウェザーストリップゴムを貼り付けました。これは友人Nが今まで仕事で見てきた中で、これは使えるんじゃないかという物を部品屋さんから取り寄せた物です。
そして ドアの下部分にも取り付けましたが、これは嵌め込みタイプだったのでまた違う物を付けてます。

最終整備

あとは最終整備ですが、調子が悪かったのはキャブをオーバーホールしただけで直ってしまいました。
その他は、さすが古いためかブレーキが調子悪かったので、ドラム研磨とオーバーホールをしました。 ブレーキのカップキットはなぜかトヨタから部品が取れました。

エンジン本体に関しては何も手を入れる所はありませんでした。キャブが綺麗になっただけでエンジンは絶好調です。

他には殆どそのままで車検OKでした。
ちなみに、珍しい車の為車検場では検査員の方々が集まってきて、やりにくかったそうです。これではごまかしが効かないですね。

公道デビュー後

無事車検に通り、公道デビューとなりました。

あまりに綺麗に仕上がっているので、当初の”仕事で使う”と”バイクを運ぶ”という目的は没になりました(笑)。荷台に傷が入るのがいやなのだそうです。
そしてそれだけではなく、商用車だというのにいろいろ手を加えました。

その手を加えた所は以下の通りです。写真は別のページをご覧下さい。

ヒートエクスチェンジャー交換
手っ取り早くいえばヒーターです。トヨタからリコールがありました。何でもアスベストが使われていたので対策品に交換して下さいとの事。
30年以上経過しているのに今頃リコールとか、トヨタは凄いですねぇ。
ステアリングハンドル
市販のウッドハンドルをカンナで削って細くし、塗装しました。
ローダウン
この車は前後リーフですが、前が何と5、6枚ありました。そのうち2枚抜きました。そして後ろはブロックを入れました。
フロントショック交換
フロントのショックが抜けていたので交換しました。
当然新品はありません。ですがワゴンRのショックがぴったり合いました。
オイルクーラー
この車は空冷エンジンなので、低速が続くとオーバーヒートしやすいです。そこでオイルクーラーを付けて多少なりとも冷えるようにしました。
油温計・油圧計
オイルクーラー取付に伴って、油温・油圧計を付けました。これで安心です。
アーシング
旧車にはアーシングは定番ですね。
電子防錆装置
全員一緒にラストプロテクターを取り付けてます。
燃料フィルター
燃料フィルターをガラス製の、外から見える物に交換しました。
カーコンポ
スピーカーを取り付ける場所がありません。取り敢えずシートの裏にスピーカーを設置しました。
ですが、空冷エンジンがうるさいのでほとんど聞こえません。(笑)

まだまだ野望は続く

現在、窓周りのウェザーストリップ取付と、フロントブレーキをディスクに変更しようと画策中です。

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